投稿者「中野 志穂(ねこりん)」のアーカイブ

中野 志穂(ねこりん) について

IT業界に身を置くようになって10余年。最近は主にギーク中国語講座のねこりん。

ライターという仕事

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先日、イケダハヤト師が吠えている(紙のライターよ、「文章の巧さ」を誇る暇があるなら「マネタイズ」を頑張りなさい)のを見て、「ライター」という仕事でわずかでもお金をいただいている身として思うところを書いてみたくなりました。

●そもそも文章が巧いってどういうこと?

著作の多くの部分を別人が書いていることを公表し、冒頭で紹介したような煽り記事を書いているくらいなので、イケダハヤト師も自分が格段文章が巧いとは思っていないのでしょう。

ただ、彼の職業は「ライター」ではなく「イケダハヤト」なので、そのために最適な文体「だけ」が書ければそれでいいのです。

一方、書くことを生業としている「ライター」で、本当に文章が巧い人はあらゆる文体を自在に使いこなします。さらに必要な単語はもらさず、でも冗長な部分はなく、どんな文体でも読みやすく仕上げます。

私もそのレベルを目指して書いているつもりですが、それには使う言葉を吟味するのはもちろん、表記(ひらがな、カタカナ、漢字のどれを使うか)、句読点の打ち方、カッコの使い方まで細かく考える必要があります。

●たかが文章、されど文章

こんな当たり前のことを改めて偉そうに書くのも恥ずかしいのですが、多くの良心的ライターは私と同じように細かい部分にまでこだわって書いているはずです。

そこまでやるのは、句読点一つあるかないかで読み手に与える印象なり情報がガラッと変わってしまうことを分かっているからです。実際、反響をある程度数値で測れるネットでは、驚くほどの違いが出ることも珍しくありません。

別に「そこまでこだわってるオレ」に酔っているわけではないのです。(ここを理解されないのは本当に辛いというか、正直イラッとします。)

●「文章が巧い」を超えるレベルの人々

ニーズに応えながらいろいろな文体を書き分けるには「自分らしさ」を押し殺す必要がありますが、その結果、私は「自分らしい文章」が書けなくなってしまいました。そういうライターさんは他にもいらっしゃるのではないでしょうか。

でも、文章が巧いなんていうレベルを超えた達人になると、あらゆる文章を操ることができ、かつ自分らしく秀逸な文体も手中にしています。そういう人々は「ライター」ではなくもはや「作家」さんです。

私はいつも揶揄半分、本気半分で「イケダハヤトが師」といったりしていますが、文章の達人として心の底から尊敬している作家さんは小田嶋隆氏と高橋秀実氏の二人です。

本当に何を書いても「読ませる」ので、ため息しか出ません。私は所詮自分の名前では勝負できない小物ライターだと思い知らされます。

なーんていいながら、実は著作は一つも持っていないので、Kindle版の安売りが出たらぜひ買ってみたいと思っています。

みなさんもよろしければ一度読んでみてくださいね。

ビットコインは生き残る?

马上有钱

马上有钱(すぐにお金持ち!)

(最後に追記があります。)

大手取引所が事実上閉鎖となり、大騒ぎの「ビットコイン」。ビットコインについては一度記事にしたいなーと思いつつ、仕組みをまだ十分に理解していなかったので、そのうち、と思っているうちにこんなことになってしまいました。

が、個人的に仮想通貨自体は問題点を改善して今後とも生き残っていくと思っているので、今のうちに思うところを書いておくことにしました。

●一万円札も本来はただの紙切れ

ビットコインとはどんなもので、今回何が起こったのかについては、上手にまとめてあるものが見つけられなかったので、ビットコイン マウントゴックスの検索結果から適当に拾い読みしてみてください。

ビットコインがここまで一気に普及したのは、そもそも現在の通貨も「実体」をともなっていないからです。一万円札なんてただ諭吉っさんが印刷された紙切れですよ?これ2枚で私の1ヶ月の食費がまかなえるのって、考えてみるととても不思議なことです。

「いや、お札はただの紙切れじゃないでしょ」と思うかもしれませんが、じゃあ、どうして私が「10,000円」と書いた紙には価値がなく、一万円札には相応の物品と交換できる価値があるのでしょうか。それはみんなが「国家が発行しているお札だから」という理由で「信用」しているからです。

つまり、現在の通貨はすでに「信用」を前提に取引が成立しているわけです。だから、それが紙切れからデータに移行したとしても、人々の心理的ハードルはそれほど高くありません。あとはどれだけ「信用」できるか、これに尽きます。

●「データ通貨」は今後も生き残る

今回の事件はビットコインの「信用」をひどく傷つけました。これでビットコインという名称での通貨は終わるかもしれません。でも、金貨が紙幣にとって代わられたように、「利便性」が勝るものはやがて問題を解決しながら普及していきます。

「データ通貨」(上で説明した理由で、「仮想通貨」という名称よりはこちらがふさわしいかと)はITによって急速に進むグローバル時代において利便性が高いことはすでに議論するまでもありません。むしろ今回の事件は改善を施すいいチャンスとなり、今後の普及を推し進める可能性すらあると思っています。

ということで、私も安くなったビットコインを買って、一攫千金狙いましょうかね。せっかく「马上有钱*」の写真も撮ったことだし(笑)

*「马上有钱」とは?
午年の今年、馬の上にお金を置いた写真をアップするのが中国で流行。中国語で「马上(馬の上)」に「すぐに」という意味があることに掛けたもので、すぐにお金持ちになるよ!というゲン担ぎ。

【2月28日追記】
すでに昨夜の段階で、ビットコインの相場が元に戻りつつあるとのニュースがありました。ちゃんと仕組みを理解している人々からすると、今回の事件はビットコインの「信用」にはあまり影響ないと考えているようですね。

デジタルマーケットの今後を予想してみる

ウェアラブルのイメージ

次に来るのはどれ?

「今年は攻めていく!!!」といっていながら、気がつけばもう2月も下旬になろうとしていますね。トホホ…

さて、今日は今後のデジタルマーケットについて思うところを書いてみようと思います。

●今年はあれ、あれが来る!?

私が「今年は○○が来る!」とか「○○元年」と予測する時の基準は「環境+キャズム理論」です。まず今の環境ですが

  • スマホがコモディティ化してきて業界はアヘアヘ
  • BRICsもそろそろ成熟期に入ってきて全世界的にお疲れモード
  • クラウド化は着々(Amazonコワい…)

こんな感じですね。

このような環境の中でキャズムを越えてくるデジタル機器やサービスはなんでしょうか。それはズバリ!

ウェアラブル+ウェルネス

ですよ!奥さんっ!!!!
(あ、そういえば、これから時代の空気は「M」と予測したんですが、「W」じゃないですか。あーあ……)

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IT+健康のイメージww

Appleが次に狙うのは医療系だということはすでにいわれていますが、どちらかというと病気を治すという重い感じではなくて、不健康解消くらいのカジュアルな感じのものがキャズムを越えてくるのではと思います。

例えば、身体に身につける端末から定期的に血圧データを取ってクラウドに送信し、過去のデータやあらかじめ設定した数値と照合して、異常があればアラートを返す、みたいな感じです。

そのアラートを離れて住む家族のスマホにも送れるようにしておけば、独居老人の異常をいち早く察知することにも役立つかもしれません。

他にも、あんなことやこんなこと、あ、そんなこともできそう!なーんてアイディアが次々と浮かんできませんか?

●でも実際「元年」はもう少し先

ここまで力説しておきながらアレですが、実際に健康系機能を持つウェアラブル端末がキャズムを越えて「元年」といえる状況を迎えるまでにはあと1~2年はかかると思います。ただ、この分野で先行者として利益を厚く取ろうとするなら動くのは今年でしょう。

私、すでにアイディアたくさん出てきて困ってます。このアイディア買ってくれる方、いませんか~。絶賛大募集ですよ!

お問い合わせはブログのお問い合わせフォームFacebookのメッセージでどーぞ!!!w

サラリーマンじゃなくてもネットでなんとか生きていける時代

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みなさま、あけましておめでとうございます。

個人的にはとてもワクワクした気持ちで2014年を迎えました。このワクワクをもっともっと大きくできる1年にしていきたいものです。
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iPhone?それともAndroidスマホ?

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先日、スマホをAndroid搭載のHTCからiPhoneにしました。

Windows系のモバイルノートからMac Book Airに変えた時はあまりの操作性のよさに大感激し、「Macはリテラシーの高い人が使うもの」という偏見を悔いたので、今回もΣ(゚Д゚)スゲーッ!という経験を期待していたんですが…

結論からすると、「次も絶対iPhone!」とまではいえない感じ。状況によってはまたAndroidスマホに戻ることもあるなーと思っています。

ひとまず、2週間ほど使った感想を簡単にまとめてみました。

●反応がちょっと違う

私が使っていた先代スマホHTCは、とにかくものすごく反応がよくて、1日に何回も誤タップししまうほど。一方、iPhoneはかなり意識的にタップしないと反応しない感じです。そう書くとiPhoneの方がいいようだけど、すっかりよすぎる反応に慣れてしまったので、iPhoneに「反応悪い!」とイラッとしてしまうことがあります。

特にフリックとスワイプの使い分けはなかなか慣れません。反応がいいAndroidではフリックとスワイプの違いを意識しなくても、なんでもサッ、サッとはらう感じでいけたのに、iPhoneはちゃんと丁寧にスワイプしてあげないと反応してくれないことがあります。でも、ついついサッと払ってしまって「あぁぁぁぁっ!」となってしまいます。

これは最初のスマホがどちらだったかでかなり印象が異なるのかもしれませんね。

●アプリが勝手に終了してくれない

一度使ったアプリはホームボタンを2回押して「使用中のアプリ」一覧から終了させてあげないとダメみたいです。

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(この状態で各アプリの画面を上にスワイプすると終了)

それを知らなかった私は、ほぼすべてのアプリを使用状態としてしまい、メモリがパンク。そしてLTEと3Gの自動切り替えができなくなり、境界線上エリアで通信フリーズという事態に見舞われてしまいました。

Androidスマホも裏側で通信するものなど勝手に終了しないアプリはあったと思いますが、少なくともメモリがパンクということは一度もなかったので、電卓とか時計などは「アプリを閉じる=終了」だったと思われます。さらにAndroidスマホには使用中のアプリとメモリが確認できるメニューがあったはず。個人的にはそういうものがあった方が安心かな、と思いました。

●コントロールセンターのラインナップにモヤモヤ

画面を下から上にスワイプすると表示されます。

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これ自体は便利だと思うんですが、画面回転の禁止がここでしかできないらしく、かなり探しました。

他でも設定できるけど、ショートカット的にここにあるものと、ここでしか設定できないものがあるって、ちょっと戸惑います。

●検索窓

これは見つけるまで本当に「??」でした。

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ホーム画面の何もないところを下にスワイプするって、普通思いつかないでしょ?(苦笑)

まぁ、覚えてしまえばどうということもないけど、でも、Androidのように検索窓は常時表示の方がやっぱり使いやすいかなぁーと思います。

●指紋認証はそれなりに便利

と、ここまで悪いことばかり書いてしまったので、最後によいことを一つ。

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指紋認証はそれなりにいいです。特にアプリを落とすときに便利。猫の肉球でも認証登録できるそうですが(笑)

●結局のところ

日本では圧倒的シェアを誇るiPhoneですが、世界的にはもう8割近くがAndroidスマホといわれています。これまでiOSのみでAndroidに対応していないアプリは数多くありましたが、今後はむしろAndroid優勢になってくるはず。

今、IT業界はスマホのコモディティ化時代に突中して、一つの「潮目」を迎えている状況なので、きっとこの2~3年で新しい流れが生まれてくるでしょう。スマホの選び方も新しい選択軸が登場しているかもしれません。

ということで、今「iPhone?Androidスマホ?」と聞かれたら「どっちでも。色や形がお好きなもので。ただし、日本のメーカーには注意して。」と答えようと思います(笑)