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中野 志穂(ねこりん)

中野 志穂(ねこりん) について

Web関連の仕事をするようになって10余年。最近ではソーシャルメディア支援や広告コピーなどを書きつつ、日中韓をつなぐ事業展開を模索中。趣味は競馬、野球はカープ。生態としてはほぼオヤジ。

Maker Faire Shenzhenに出展しました

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4月にニコ技深圳深圳観察会に参加したことをきっかけに「ギーク中国語講座」なる勉強会を立ち上げました。
ギークのための中国語講座(Facebookページ)

この勉強会のメンバーとチームを組み、中国語の発音練習機器を開発し、11月10日から12日に深圳職業技術学院留仙洞キャンパスで開催されたMaker Faire Shenzhenに出展しました。ちょっと長くなりますが、それまでの道のりをまとめてみたいと思います。

●ギーク向け中国語講座を立ち上げる

私が中国テック界の躍進ぶりに驚き中国をフィールドにしようと決め、本格的に活動をはじめたのが2年ほど前。ところが当時の日本のIT業界にはまだ2000年前後のオフショア開発の経験から「嫌中」ムードが大勢を占めていたため、「最近の中国テック界はすごい」と周りの人にいくら言っても「は?中国??」という反応でした。

一方で、中国語の勉強会に参加してみると、興味の対象は伝統的な文化だったり食だったりするケースが多く、私がDJIのドローンがすごい!Wechatがすごい!と言ってみても興味を持ってくれる人は少数でした。

そんなわけで私は長い間同じ興味で中国語を勉強する仲間がいませんでしたが、ニコ技深圳観察会に参加したことで状況が一変しました。なんと、一緒に参加したメンバーが帰国後「中国語を勉強したいのでアドバイスしてほしい」と言ってくれたのです!!「これから日本のIT業界が世界と戦っていくには英語だけではなく中国語ができる技術者の養成が急務」と強く思っていながら「は?中国」いう反応ばかりでずっと焦りを感じていた私にとって、その状況はとてもとてもうれしく、また信じられないような気持ちでした。

せっかく湧きあがった中国語熱を冷ますわけにはいきません。何としても彼らにピッタリの講座を探そうといろいろ調べましたが、どのクラスもピンイン表記からはじまり、主人公が北京に留学し、中国の伝統文化に触れるようなスクリプトばかり。今の段階での彼らの興味は、例えば深圳の電気街、華強北でスムーズに買い物ができるスクリプトだということは明らかなのに…。

そこで自ら立ち上げたのが「ギーク中国語講座」でした。

●中国語声調チェック器「萌神」プロジェクト始動

私自身は中国語を教えた経験がなく、勉強会を運営することはとても不安でしたが、恐れずにスピード感を持ってやるのが深圳流。毎回ドタバタながら、たくさんの方に助けていただいて何とか10回シリーズを終えることができました。

勉強会で私がこだわったのが声調(四声)です。中国語には音の上がり下がりで4つの分類があり、それぞれ別の音と認識されるため、声調が間違っていると別の意味になったりまったく通じなかったりします。そこで定番のピンインの勉強は後回しにして、声調の練習を徹底的にやりました。

このあたりのこだわりは細かく書くと長くなるのでまた別の機会に書くとして、ひとまず声調重視で実施した勉強会が一定の成果を上げたこともあり、声調を1人でも楽しく勉強する機器を作れないかと、何気なくFacebookに投稿しました。すると、勉強会のメンバーから次々とアイディアが出て、「実際に一度作ってみようか」ということになり、「萌神」というプロジェクトが発足しました。

「萌神」の由来は勉強会のきっかけを作ってくれたニコ技深圳観察会を主宰する高須さんという方が深圳でそう呼ばれていると聞き、半ばノリで命名しました。そして、開発の最初の目標としたのがMaker Faire Shenzhenでした。

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勉強会の「恩人」である高須さん@MakerFaire深圳

●奇跡のような開発進行

成功するプロジェクトはキックオフミーティングの段階で「あ、このプロジェクトは成功するな」という空気感をもっていることがあります。私たちの「萌神」プロジェクトはまさにそういう雰囲気がありました。

私自身はアプリなどの開発現場から離れて久しいうえにハードの制作経験はまったくゼロ。そんな人間がリーダーを務めるという心もとないチームでしたが、蓋を開けてみたらそれぞれの得意分野が異なり、あたかもプロジェクトのために人選しかたのようなメンバーがすでに揃っていたのです。

途中で私が体調を崩したり、メンバーの一人が急きょ本業の都合で抜けてしまったり、何度も危機はありましたが、その都度チーム全員のがんばりと結束力で乗り越えました。本当に今思い返しても1人でも抜けていたら出展は叶わなかったことでしょう。

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最終チェックの様子

●いよいよ深圳へ!ところが…

奇跡のような開発進行の結果、何とか展示ができるレベルまで作品が仕上がり、あとは当日を迎えるだけとなり、持ち物も誰が何を持っていくかリストを作り、しっかりチェックをしたはずが、なんとハード側の心臓部であるラズパイを私が忘れてしまうという大失態を犯してしまいました。

私たちの作品はタブレット上で動くアプリで中国語の発音を録音するとそれを分析して点数を出し、合格するとwi-fiで結果を通信し、ラズパイの制御で「飴だし器」からご褒美の飴が出るというものでした。

そのため、持ち物リストは「飴だし器」となっていて、飴だし器本体だけで安心してしまったのです。ラズパイ制御で動いていることは認識していたのに、どうして気付かなかったのか今でも不思議です。きっと、優秀なスタッフに頼りすぎて気が緩んだのだと思います。

それでも私が意気消沈していてはチームにさらに申し訳ありません。翌日には別のスタッフがラズパイを持って来てくれることになったので、初日1日だけなんとか乗り切れば大丈夫。そう心に喝を入れましたが、すでに深圳入りしていた別のスタッフが深圳の街でラズパイを調達し、日本にいるハード責任者と連絡を取りながら現地で制作を進めてくれたのです。素晴らしいメンバーと巨大電気街を有する深圳という街が私の失敗をリカバリーしてくれました。

深圳は華強北で部品を調達

●大盛況だった萌神ブース

中国語の発音練習機器を中国で展示して受け入れられるのか?と思われるかも知れませんが、中国には多くの方言があり、普通話といわれる標準語を完璧に発音できない人も少なくありません。そのため、特に幼児教育では正しい普通話の発音を練習するというニーズがあるのです。狙い通り、多くの子どもたちが「萌神」で遊んでくれて、本当に見ているだけで幸せな気持ちになりました。

子ども達に大人気の「萌神」

また、日本で言う「早口言葉」を例文として採用し、大人でも楽しめるようにしました。これもまずまず狙い通りで、途中で言い淀んで笑い出してしまったり、完璧に発音して自慢げだったり、それなりに楽しんでいただけたと思います。

今回「萌神」本体自体を動かすことはできず、マスコットとモニター置き場としただけでしたが、それでも存在感抜群で大いに集客に役だってくれました。また、「萌」で日本らしさを示すアイディアもバッチリで、日本語を勉強している、日本のアニメに興味があるという若い方は開催期間中毎日私たちブースに足を運んでくれました。

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恩人、高須さんを模した「萌神」くんは抜群の存在感

●メディア取材や教育関係の会社からアプローチも

今回の出展では本当にたくさんの方に足を運んでもらい、教育関係の会社から「深圳にオフィスはあるのか」と聞かれたりメディアの取材を受けたりしました。ただ、私たちのプロジェクトは始まったばかりで、母体となる勉強会も有志が集まったものに過ぎません。これからどうなるのかまったく未知数ですが、でも、この体験を活かし、今後もプロジェクトを継続するつもりです。

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メディアの取材を受ける

●深圳速度に乗ってみる

ニコ技深圳観察会に参加し、始めて深圳に行ってから7カ月後にまさか自分自身が出展者になるとは夢にも思いませんでした。本来私はのんびり屋なので、深圳速度についていこうとすると目が回りそうですが、それでもそれに乗ってみると思わぬことが起こります。何よりステキな仲間に恵まれたことはもう感謝という他ありません。

今回のMaker Faire深圳を機にまた中国語に興味を持ってくれた日本のエンジニアがたくさんいます。今後も「ギーク中国語講座」が日本のIT業界における中国語ムーブメントを牽引する存在となるよう、引き続き仲間とがんばりたいと思っています。

最近深圳が気になるなーという方、まずは一度行ってみましょう!!!きっと人生がキラキラしてきますよ。そして中国語に興味を持ったらぜひ「ギーク中国語講座」を思い出してもらえるとうれしいです。

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3日間の展示を終え、すがすがしい表情のメンバー

深圳でインターンをした話(後編)

再開発が進む深圳保安地区

2017年7月に深圳の工場でインターンをしました。
最初の3日間、ラインでの仕事を体験させていただいた後は品質管理の実習をしました。

●4日目(木曜日)

出社後、品質管理の責任者にごあいさつした後、すぐに品質管理部門の部屋へ。他の工場から納入された部品をラインに回す前にチェックする仕事をやらせていただきました。

JENESISでは基本的に全数検査ではなく、納入された数に応じてチェック数を決める選択式検査を実施しています。実際に検査する部品は、納入された箱から少しずつバランスを見てピックアップ。

チェック項目は部品ごとに傷や汚れはないか、バリは許容範囲内か、機能を果たせない障害はないか、などなど細かく設定されています。その説明を中国語で理解しなければいけないのでさあ大変。万一間違った理解でチェックしてしまったら、不良品をラインに回してしまうことになります。うまく表現できないことにイライラしつつ、一つずつチェックする内容を確認しながら作業を進めました。

日本の製品も多く手掛ける深圳でも高品質な工場だけあって、各部品も高い要求に応えているものが多く、不良品はそれほど多くないという印象でした。それでも、一定数不良品が出るケースがあり、基準を超えた不良品が出たロットはすべて返品されます。

私がチェックした中にも基準を満たせず返品になったものがありましたが、やはりそういうケースはあまり多くないらしく「今回は不良品がたくさんあってラッキーでしたね。」と冗談を言われました。

ラインの担当者もとても優秀でしたが、品質管理の担当者もやはり優秀で、私が実習でより多くを学べるよう、業務全般にわたり丁寧に説明をしてくださり、私も新入社員になった気持ちで業務を学ぶことができました。

●5日目(金曜日)

前日に引き続き品質管理部門で部品チェックをやりました。すっかり担当者とも打ち解け、業務でよく使う単語にも慣れ、本当に社員になった気持ちで作業をすることができました。作業の合間には雑談する余裕もでき、日本の話をしたり、深圳の食事情について教えてもらったりしました。

このままここで仕事を続けたいと心から思うほど楽しい職場でしたが、インターンはこの日が最終日。就業後は経営者の藤岡さんのご配慮で、女性社員と食事に行きましたが、そこでもみなさん仲間の一員のように接してくれて、こうして書いていても今すぐ戻りたい気持ちになるほどです。

JENESISのみなさんと

●インターンを終えて

今回、生れてはじめて工場の一員として仕事をするという経験をして、生産現場のさまざまなことが分かりました。まずはライン設計の重要性です。言うまでもないことですが、作業をどのように分担し、どのような行程で進めるかによって品質と生産数が決まります。無駄なく効率的な設計であるほど高品質ながら低コストを実現でき、それがそのまま競争力になります。

さらに、どれほど設計がすぐれていても、例えば不良品による返品が発生したり、人員の手配が思うようにいかなかったり、不確定要素は多々あり、その都度最適に調整する必要があります。

今回、出荷前の大変な時期を経験できたことで、人が増えればその分作業量は確実に増えるものの、若干効率性が犠牲になるような場面も目にしました。人員と効率性のバランスが崩れ、非効率が目立つようになるとそれはすぐさまコストに反映し、品質にも影響を与えるかもしれません。それを回避するのはやはり現場担当者の力量次第。

また、品質管理についてはやろうと思えば上限はないので、より効率的で的確なルールが求められます。さらには現場担当者の強い責任感がなければ品質とコストの最適なバランスを維持することは難しいでしょう。

優れたライン設計と品質管理方法、そして優秀な人材、これらが揃ってはじめて「高品質」が実現しているということがとてもよくわかりました。

●JENESISという会社

最後に、お世話になったJENESISについて書きたいと思います。

初日こそ私も緊張してほとんど話すことができませんでしたが、私が中国語を話せると分ると、いろいろな人が声をかけてくれ、楽しく仕事ができるようにとみなさんに親切にしていただきました。

そして、とても印象的だったのがどの部署も笑いが絶えないこと。出荷直前の修羅場のようなラインでは確かに怒号のような声が飛び交っていましたが、刺々しい空気になることはなく、終わればすぐ和やかムードでした。

そして、みなさん口を揃えて「この会社が好き」と。わずかな期間ながら私自身も会社が大好きになったので、おそらくホンネだと思います。

貴重で楽しい体験をさせていただき、チャンスをくださった藤岡さんはじめ、JENESISのみなさんには感謝しかありません。本当にありがとうございました。

次はあなたの番です。深圳が気になる方は思い切って飛び込んでみてください。宝物のような経験がきっとできるはずです。

深圳でインターンをした話(前篇)

お世話になったJENESISの入口

2017年4月に「ニコ技深圳観察会」に参加し、そこで訪れた工場がインターン受け入れをしているということで、7月17日から21日まで実際にインターンをやらせていただきました。

お世話になったのは藤岡さんという日本の方が経営しているJENESIS、中国名は创新讯联科技という工場です。従業員はすべて現地採用のため、社内のコミュニケーションは中国語が基本。実際に深圳の工場を体験できる上に中国語のスキルアップも狙えるとあって、インターン受け入れをお願いしました。

写真を撮ってもいいと許可をいただいていましたが、できるだけ社員の一員になったつもりで仕事をしたかったので、社内の写真はほぼありません。基本的に文字だけのレポートになりますがお付き合いください。

●初日(月曜日)

出社後、まずは実習生の契約書を交わし、早々に責任者と生産ラインへ。まずは別の工場から納品されたタブレット用の液晶パネルを一つずつ袋から出し、ライン用の専用ケースに移し替えるという作業からスタート。こういった地味だけど、必要な作業が生産ラインにはたくさんあります。

ただ、日本国内でさえ工場で働いた経験が一度もない私は、とにかく失敗しないか不安でいっぱい。また、タブレットは精密機器なので、単純な作業でも部品の扱いには気を使います。一つ一つ拙い中国語で確認をしつつ、作業をしました。

そして素晴らしいのが現場の管理者。パネルを移しかえた専用ケースがいっぱいになる頃合いを見計らって、さっとそれらをラインに回し、空いた専用ケースをタイミングよく戻してくれます。

その作業が終わると次はプラスチックの小さな部品をニッパーでゲートから切り離すという作業。プラモデルの部品を切り離すのとまったく同じ作業です。これは個人的に大好きなので嬉々として始めましたが、少し進めたところで管理者が来て、切り離し方がいまひとつということで、上手な切り離し方を教えてくださいました。実際にやって見せてくれるので基本的に言葉は不要ですが、私が少し中国語ができるということで、「ちょうど真ん中で挟んでここで一気に力を入れて」というように言葉でも丁寧に説明してくださいました。

初日の作業はここまででしたが、休憩時間にトイレットペーパーの場所が分らず、休憩時間が過ぎてしまって作業所に入れなくなったり、帽子をかぶるのを忘れて作業所に入ろうとしたり、小さな失敗をたくさんしてしまいました。

さらには、私が持っていったお土産のお菓子をお昼の休憩後に食べながら従業員の方々が「おいしい?」などと話していましたが、まだ緊張していて話の輪に入っていけませんでした。

昼食は無料。美味。

●2日目(火曜日)

翌日の午後に出荷予定ながら、どうも作業が若干遅れ気味のようで、朝の朝礼から作業所は何となくピリピリモード。現場の主任は「とにかく安全に気をつけて作業するように」と強調していましたが、私は半田付けなどをするわけでもなく、そんなに危険もないだろうとのん気に構えていました。

ところが、これは本当にやってみてわかりましたが、修羅場のラインには思いの外危険がいっぱいです。「血の付いた手で作業をしない」という注意書きがあちこちに貼ってあるのもとても不思議で「タブレットのラインで血が出るの?」と思っていましたが、修羅場のラインでは1日に数千、もしかすると万単位で同じ作業を繰り返さなければいけません。指先はカサカサになり、皮が剥け、ボロボロになってしまいます。また、床に梱包材などが散乱し、私は一度それに足を取られて転倒してしまいました。

さらに「何でそれを報告しないんだ!」「そうじゃなくて、こうやって!」などなど怒号にも似た声があちこちで飛び交います。私は外箱に充電ケーブルを収める中敷をセットする作業をしましたが、一つ一つ悠長にラインで作業している暇はもはやありません。あっちからもこっちからも組みあがった外箱を取りに行き、さらにラインで流れてくるものもピックアップするのですが、ついつい忘れて何度も「取り忘れないで!」と怒られてしまいました。

臨時のバイトさんも含め、作業所はまさに臨戦態勢。この日は6時の休憩時にバイトの方と屋台で一緒にご飯を食べ、夜8時半まで残業をしました。

物価上昇が著し深圳でも屋台のご飯はまだまだ安い。

●3日目(水曜日)

さあ、いよいよこの日の午後に出荷です。朝9時に作業所に行くと、もうすでに作業を始めている方もいて、私もすぐに前日と同じ作業を続けました。充電ケーブルを収める中敷は1000枚くらいの束が何十個と積み上げられていて、「これを全部やるの??」と目が眩みましたが、現場の人たちは皆慣れたもので、淡々と作業をこなしていきます。「何という修羅場!」と焦っていたのは、もしかすると私一人だったかもしれません。

そして、いつもは1時間あるお昼休憩もその日は30分。「みんな、早く食べて!!」と食堂も臨戦態勢です。

休憩後も急ピッチで作業が進められ、私が中敷を入れた箱に充電ケーブルそしてタブレット本体が収められ、梱包され、次々と工場の外に運び出されていきます。いよいよ最後の一つが出荷された時の充実感といったら!!!

その後は雑然とした作業場を丁寧に掃除しました。床に散乱したゴミを片付け、ほうきをかけ、ラインを水拭きします。そしてまた新たな出荷分の作業がスタート。その時点では完全にお客様扱いも終わり、普通にラインに投入され、新しい作業の説明を社員の方に中国語で教えていただきました。臨時のバイトさんとユニフォームが同じことから私が日本から来たインターンと思っていない人もいて、まさに工場の一員となって働いている気持ちになることができました。

深圳でインターンをした話(後編)に続く

ニコ技深圳観察会に参加しました(まとめ)

夜の華強北

深圳から戻り、すぐにブログを書き始めましたが、あまりに深圳ショックが大きくてなかなか書き進めることができませんでした。何とか書いては見たものの、今読み返してみても自分のためだけに書いた小学生の感想文のようですが、観察会のルールでもあるのでひとまず公開します。

中国ブームの火付け役に

もう一つ、深圳滞在中につぶやかずにいられなかった私のツイートも掲載しておきます。

この二つは影響力の強い参加メンバーに拾われたこともあり、フォロワー数わずか250というほぼ独り言アカウントながら両方で30,000くらいのインプレッションを獲得しました。

この後、Twitterでは空前の、といっていいほど「中国すげー」というつぶやきが溢れましたが、そのブームに観察会が少なからず寄与しているのでは、と私自身のツイートの広がりを見ても感じています。

私自身の取り組み

ブログはなかなか書けずにいましたが、深圳から戻ってから、私も新たな取り組みを始めました。

一つは深圳をきっかけに中国テック界に興味を持ち、中国語を勉強したいと思うようになった人たちを対象とした中国語勉強会を立ち上げたこと、もう一つは、お話を伺って頭がいっぱいになってしまったJENESISさんのインターンに実際にチャレンジすると決めたことです。

勉強会は想像をはるかに超える参加者が集まり、しかも高いモチベーションで自ら積極的に勉強を進め、お互いに情報共有をしたり教えあったり、素晴らしい方ばかり。これも深圳のご加護かと感動しっぱなしです。

インターンの件は考えれば考えるほど「行かない理由はない」と思え、行けそうな最速のタイミングで行くことにしました。これはまたブログに書きたいと思います。

深圳では「とにかくやってみる」という気風がイノベーションを起こしていくというリアルな現場を目の当たりにしました。それを体験しながら、今までと同じ場所に漫然と立ち止まっているわけにはいきません。

これは冗談でもなんでもなく、リアルな私の感覚です。みなさんもまずは一度、深圳に行ってみることをおすすめします。

最後に、このような企画を長く続けてくれている高須さんに、改めて心からお礼を言いたいと思います。観察会が熱くなるにつれ、参加者も観察に熱中してしまい、高須さんの声を枯らせてしまったこと、本当にすみませんでした。

でも、今後も観察会での経験を生かし、「まずはやってみる」ことを心がけたいと思います。では、ひとまず、インターンに行ってきます!!

ニコ技深圳観察会に参加しました(その5)

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Seeedで参加者のみなさんと(大好きな1枚)

観察会3日目。すでに頭の中はかなり「深圳ヤバい」という風になってます。

この日も華強北のスタバ前に集合し、バスで一路宝安地区へ。

深圳を象徴するような企業へ次々と

最初の訪問場所はAsh Cloud。生産管理から人の管理、そして品質管理まですべて統合されたアプリで行っている工場です。

事前に少し説明はあったものの、一歩足を踏み入れた瞬間その「狂気」がひしひしと伝わってきました。見学の記念にいただいたボールペンのケースにはこう書かれています。

整合单一系统于App內

漢字を見ればだいたいの意味が分ると思いますが、アプリ内のシステムにすべてが統合されているということで、それがこの工場の最大の特徴であると自ら宣言しているわけです。品質とか真心とかではなく、アプリ。それこそがAsh Cloudなのです。

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参加者の方とアプリの説明を受ける

アプリのデモを見せていただきましたが、こうして思い出すだけでもその狂気の沙汰にめまいがします。工場でのあらゆる管理を想定し、必要な情報が見やすく適切に紐づいていて、見たところ動作も安定していました。またユーザーインターフェースも素晴らしかったので、おそらく新入社員がアプリを使いこなすハードルも低いでしょう。

私もそれなりにサイトやアプリの開発に関わってきたので、あのアプリを作るのにどれだけの労力が必要だったかよく分かります。日本であれば「ここはパッケージの○○を利用して」みたいになりそうな部分(例えば人事管理)も何が何でもアプリに入れてしまうというのは熱意を通り越してまさに狂気としか言いようがありません。ただ、最先端のテクノロジーを使い倒し、生活を豊かにしていこうという前向きなエネルギーはいかにも深圳らしいと感じました。

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Ash Cloudのキッチンは撮影用のスタジオさながら

狂気を目の当たりにしたおかげでふらふらになりつつ、次はSeeedへ。安く、早く、小ロットでの供給に応えることでメイカーのcreativityを支えている企業です。Seeedという企業を一口で説明するのはとても難しいので、興味がある方はぜひ高須氏の著作「メイカーズのエコシステム 新しいモノづくりがとまらない(インプレスR&D 2016)」をご覧ください。

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オープンで他の工場とはまったく違った雰囲気のSeeed

ちなみに、今回訪問した企業の中で、このSeeedがいちばん印象的でした。まさに現在の深圳を象徴する代表的な企業。もちろん、どの企業も勢いがあり、働いている方もみな熱心で素晴らしかったのですが、アクセラレーターでもなく、ただの工場でもなく、でもメイカーに欠かせないポジションを築いているSeeedという企業のオリジナリティがたまらなく心地よく感じられました。

そして昼食後は再開発が進む南山地区にメイカーのための新しい拠点として誕生した柴火Xfactoryへ。午前中に訪問したSeeedが運営しています。

そこではXfactoryのWayneさんが深圳の歴史から、次のメイカーフェアの計画まで説明をしてくださいました。Xfactory周辺は今はまだ開発途上ですが、今後新たなメイカーの聖地となっていくのではないかと感じさせる空気がありました。ここは他の企業や工場と比べ、個人でも行きやすいと思うので、深圳のメイカームーブメントを追いかけたい人は要チェックだと思います。

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柴火Xfactoryで参加者のみなさんと

ここまででも完全な消化不良状態でしたが、次に向かったのがInsta 360です。高品質な360度カメラで一気に世界の注目を集めた企業なので、中国に興味がなくても知っている方がいるのではないでしょうか。

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見る人が見ればきっと大興奮のInsta360進化の歴史

最近、本格的に日本にも進出したとのことで、私たちの訪問をとても歓迎してくれて、過去の製品や最新の製品を案内してもらいましたが、私自身360度カメラについてあまり知識がなく、正直なところプレゼンの内容はよくわかりませんでした。その後日本に帰って来てから少し調べたところ、カメラの性能はもちろん、連携するアプリの操作性も素晴らしく、圧倒的な商品力を持つことが分かりました。それなのに価格はお手頃。世界中の撮影マニアを瞬時で虜にしたのも納得です。

いよいよテンセントへ

プレゼンの内容はよくわからずとも、ひとまず勢いのあるInsta 360を訪問できたという満足感に浸りつつ、次に向かったのがTencent。そう、WeChatで中国を席捲し、私を深圳に導いた「張本人」の腾讯です。

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巨大なテンセントの本社ビル

ビルのロゴを見たところから大興奮で、ロビーにあったQQペンギンのオブジェと写真を撮り、消化不良の頭はひとまず横に置いておいて、完全に観光客気分でVR チームが待つ会議室へと向かいました。

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完全に観光客気分でQQペンギンと記念撮影

個人的にはその段階でもう目的は果たしていましたが、事件は、会議室で起こりました(笑)。今回、VRチームが私たち観察会を受け入れてくれた理由の一つは、参加メンバーの一人であるGOROmanさんと面談するためだったそうです。

さっそくGOROmanさんによるプレゼン。実は同じプレゼンをInsta 360でも見ていて、GOROmanさんのプレゼン能力にビックリしてしまったのですが、Tencentでは日本語だったこともあり、さらにそのうまさにビックリ!!あっという間にTencentのVR担当者をひきつけて、ワクワクする話がずんずんと進んでいきます。「こ、これは、もしかして歴史的瞬間に居合わせているのかも…」と感じずにはいられませんでした。

本当に盛りだくさんの観察会でしたが、1日目より2日目、2日目より3日目とヤバさ加減がどんどん増していったなーと、こうして振り返ってみて改めて感じます。Tencentの締めはお土産ショップでみんなで爆買い。こうして全日程が終了しました。

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テンセントのお土産ショップで爆買い

この後、私はどうしてもXiaomiショップへ行きたくて、後ろ髪をひかれつつ最後の食事を中座しました。ちゃんとごあいさつできなかった人もいましたが、今はSNSがある時代。参加メンバーとはその後もちゃんとつながって、私自身、帰国後新たな取り組みを始めたのでした。

まとめにつづく)